富士山頂登山記録

平成16年7月27日〜29日に富士山頂登山に行って参りました。

私は、以前長崎市内の測量会社に勤務させて頂いておりました。その関係で良く山に登り基準点測量に携わっておりました。
特に国土地理院の仕事で鹿児島の徳之島に行ったことは生涯忘れることができません。高い山でも2時間登れば頂上という低い山でしたが、その島にはハブがいたのです。

ハブはマムシより毒は弱いのですが牙が長いため毒が早くまわります。ハブは木にも登るし熱を感じると飛んできます。そのためヘルメットに安全靴、革手袋や足に脚半を巻き、標柱石や測量機材
そして噛まれたときの用心のため血清と注射器をクーラーBOXに入れて登っておりました。

そういう経験があったため一度は日本一の富士山に登りたいと思っており、今回念願の達成となったのです。

今回は、飯盛異業種交流会と長崎県央砕石組合 石産研究部会との合同企画でありましたが、参加人数が減り4名でした。タビックスのツアーを利用し長崎と熊本の方との34名の団体登山となったのです。

初日(27日)、名古屋空港に午前10時に到着し、そのまま富士5合目へ(左の写真)バスの中からは富士山の姿は雲に隠れて見えず午後3時30分到着。やっと富士山が見えました。五合目のハウスで早めの夕食をとり午後4時30分登山開始!!
記念の杖を買い、ペットボトル500mlを2本リュックに入れ、元気よく勇んで歩き出しました。が、なぜか下っております。登ろうと思ってるのになんで下ると?と思いながら500m程行ったところからいよいよ登り開始。半袖Tシャツで心地よく途中休憩をとりながらあっという間に6合目到着。これは楽勝。

6合目で休憩。ツアー客は小学生高学年が3名、女性13名、男性18名、先頭に登山案内人、最後尾にツアー添乗員が付いて登っております。実年以上の方が多かったため前に並び我々若い者?は後尾に並び一列になって7合目の山小屋(鳥居荘)へと出発。
登り始めると2〜3m幅の道がジグザグに続いており、右に折り返しては左に折り返すという単調な道が
飽きる程続き、途中15分〜20分ごとに休憩をはさみ、キャラメルや水分補給をしながらボチボチと登って行きます。
話をしながら笑いながら携帯電話をしながらと登っていたのですが、酸素が薄くなっているのは
目にはもちろん見えませんでした。前の人を追い越そうかとちょっとの急ぎ足で登ったのですが酸素が足りないのです。ぼーっと頭の中がぐらつきます。そのまま立って5秒くらいするとおさまります。
登山案内人が、走ってはいけません。高山病にかかり登れなくなりますよと言っていた意味がわかりました。しかし、このときすでに遅し、高山病で8名が脱落しました。途中の山小屋で私たちが下山するまで
脱落者は寝込むことになったのです。

途中、70歳くらいの熊本の方が息が荒くなり、段々最後尾まで遅れて来ました。1人でツアーに参加されているらしくまた、大きなリュックを持っておられるので私も思わず手を差し延べ『リュックが重そうですね?』と片手で抱えたところかなり重たく私のリュックの3倍はあります。思わず『なんば持ってきたと?』と言いたくなるような重さでした。
しかし、そこに救世主登場!!。熊本の方で筋肉隆々
『私が持ってあげましょう』。二つのリュックを抱え黙々と登る。しかし、山道は険しい道となり30分後、話し声も聞けなくなりかなりの疲労。救世主のリュックを私が持ち、なんとか午後8時30分懐中電灯を照らしながら7合目山小屋(鳥居荘)に到着。

山小屋(鳥居荘)と聞こえはいいが、所詮 山小屋。外壁は石積みされ屋根の上にも石が並んでいる。
ヤクザ風の店主の説明があった後、即 就寝!
しかし、我々4名は腹が減り、レトルトカレーとラッキョをつまみにぬるいカンビールを1本づつ飲み、食べ終わると『他の人に迷惑なので早く寝ろ』との命令で1人1500円払い、とりあえず外へ出て一服。
寒い!!夜空を見上げびっくり!!満月に近い月、星が近くに見える。天文学的には、それほど近くでも
ないのであろうが月も星も大きく見え、流れ星まで見えた。こんなにゆっくり星を眺めることってあっただろうか?
山小屋のベットは三段ベット。もちろん男性、女性は別、しかし畳1枚に2人が寝るという凄さ。上を向いたら幅が足りない。男同士がふっつき合い背中をお互いもたれ合いながらの就寝。気持ち悪い。眠れない。
しばらくすると、右と左からイビキが聞こえてきた。二人の(O氏とF氏)イビキはそれぞれ質が違う。早く寝ないと ・・・・・・・・・眠れない。
午前2時30分・・・。右と左のお二人は起床。まだみんな寝てるのにゴソゴソしている。『まだ、早かよ』と言うと『はりもっちゃんのイビキで眠れんかった。』・・・・・・・お互い様だったのかと反省。
私も3時くらいに起き、朝のトイレヘ。トイレ使用は、1回につき100円、昨日登ってきた途中の山小屋のトイレは、辺りに異臭が漂っていたが、鳥居荘のトイレは清潔でした。汲み取りが出来ないのでバイオトイレになっているらしい。排泄物と紙は別々にするらしいと聞いていたが、幸い大の方はしなくて済んだので実物は見ていない。
富士山が世界遺産に認定されないのは登山客のゴミ等が問題になっていると聞いていたが、登山中は、キャンディの袋が3つと空のペットボトルが2つ程見かけた位で、登山のマナーとしてゴミは持ち帰るはもちろん、落ちているゴミも拾って帰るというマナーが守られるとゴミ一つ無い富士の山となり世界遺産登録も近いうちにやってくるでしょう。

午前4時 頂上へ向けて出発。しかし、添乗員が高山病にかかり脱落。代わりに登山案内人がもう1人付いて登山開始。
既に下界は雲の下、すばらしい光景を見ながら1歩1歩8合目を目指す。トレーナーに登山用のベストを着て丁度よい気温である。
そして、午前4時45分 日の出。

雲の絨毯からゆっくりと太陽が昇ってくる。
まだ、7合目と8合目の間での日の出鑑賞であったが、自分のいるところより下から朝日が昇ってくる。
初体験。みんな立ち止まり記念撮影。
すばらしい!!

日の出鑑賞も束の間、上を見上げると8合目の山小屋が見える。更に目を細めてずーっと奥を見ると山頂入り口の鳥居が見える。
まだ、かなり遠いなあ。1歩1歩 歩くしかない。前日同様休憩をとりながら、午前6時くらいだったと思うが
8合目に到着。山小屋で頂いたおにぎり弁当を食べ、杖に記念の焼き印3400mに行った証を押してもらう。料金200円。
5合目で、1本150円のペットボトルが8合目では、500円。あんぱん300円。カップラーメン600円。
上に登る程高くなっているらしい。物資は山頂までブルドーザーを改良した重機が運んでいる。
あとでわかるが、下山道をブルが行き来していた。
さあ、あと376mを残すだけ、足にもかなり疲労がきているようだ。前日の救世主は、見違える程疲労しきっておられる。杖をつきふらふら状態。声も出ず黙々と下を向いて登る。
富士山はたまに落石事故があると聞いていたが、小さな石を転がしようものなら大きな石まで転がりそうな
危険な斜面である。
だから、登るときも休憩するときも路肩(崖側)には、近寄るなという指示が良く出る。
1人の不注意で足を滑らせ斜面に落ちると、体と石が転がり落ちるので下から登ってくる登山者はひとたまりもないだろう。また、聞いた話だがレスキュー隊でも呼んだら財産潰すほど金がかかるらしい。

一部鎖につかまりながら、とにかく1歩1歩登り、午前8時30分。山頂到着。
思わず、みんなと固い握手を交わす。ヤッタゾー!!
しかし、自動販売機があるのにはびっくりした。普通のお茶350ml 1本400円。
山頂は天気はいいが、強風が吹いていた。石で囲まれた山小屋(東京屋)に入り休憩。
30分後、山頂外周を廻るお鉢巡りに出発。

左の写真は私です。強風の為、寒く防寒着まで必要でした。
後方に見えるのは山頂の山小屋集落です。右回りのお鉢巡り開始。
途中、富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)
の頂上奥宮でお参りを済ませ、日本最高峰富士山剣ヶ峰
3776mの碑で記念撮影。
右手前にある白い石柱が、2等三角点(富士山)です。

右の写真は、富士山頂から山中湖を撮った写真です。

お鉢巡りに約2時間かかり頂上山小屋(東京屋)に再び戻り、
下山準備。
11時30分下山開始。
下りは楽勝だろうと決めつけておりましたが、ところがどっこい!
重機が行き来する道なので幅は広いのですが、砂利道でザクザクしており、おまけに砂埃がもくもく。
後を歩いていると顔もリュックも真っ白に。
結構傾斜があるため、滑る人も続発、足の裏全体で歩き、また飽きるほどのジグザグした道を休憩取りながら下っていく。

途中(2時間後)、前日の脱落者とも合流し、膝やつま先をかばいながら下る。
6合目近くになると馬で運んでくれる人達がいる。自力制覇を目標にしていたので使うつもりはなかったが、料金を聞いてみた。五合目まで1万円。
6合目まで来ると登山客とすれ違う、みんな元気な顔をして声を掛けてくれるが、こちらは、『ご安全に!』 とか『頑張ってね』としか言葉がでない。

何とか下りきり、最後の唯一の登り500m。最後に登りとはきついなぁと思いきや。
下るより遙かに楽。こんな体験初めて。走ってもいいくらいにすいすいと足が動く。

約4時間かけて5合目へと帰ってきました。
その日は、石和温泉の旅館に泊まり、祝杯を挙げました。感無量 最高の酒を喰らい、イビキも気にせず
ぐっすりと眠れました。

最後になりますが、今回の山頂登山。目標を掲げ1歩1歩自力で歩き達成する。スポーツの世界も同じ、そしてお互いの助け合い、気配り、大自然を相手に人生の良き思い出の一つとなりました。
また、機会があれば登りたいと思っています。今度は山頂で日の出を見たい。
皆さんも是非登って下さい。