飯盛町田結地区に伝わる伝統芸能田結浮立は、昭和55年2月29日長崎県無形民俗文化財に指定された。指定理由は、県下に数多い総合浮立の中でも最も多彩な種類を持つ芸能で、垣踊り(須古踊り)、道具、掛け打ち、狐踊り、銭太鼓、薙刀踊りなど室町末期の面影を残す垣踊りから江戸中期の笛の曲を持つ行列の芸まで、いつの時代にか組み合わされ伝承されている。各芸能はそれぞれ特色を持つが節度ある芸能を伝えており、これらを総合することにより、歴史的にも、また県内の芸能分布上でも貴重な存在であり、諫早藩御用浮立として伝承されて、その影響は西彼半島や島原半島にも及んでいる。これからの郷土芸能を、保存会を結成し継承していることが認められたためである。